成語の分類分けその1です。 これから挙げていくグループの中で一番覚えやすいものです。 ずばり、「日本語をヒントにできる」成語です。 ちょっと拍子抜けかもしれませんが、日本語が分かることの利点を 活かさない手はありません。 日本語の四字熟語の多くは、中国の故事成語がもとになっています。 日本語をヒントにする成語は3種類に分けられます。 (1)日中で全く同じ形式のもの 4文字の順番、漢字、意味全て同じ成語です。 簡体字と日本漢字の違いは考慮しないことにします。 例) 四面楚歌 敵に囲まれて孤立していること 朝三暮四 移り気である、考えや方針が定まらない 吴越同舟 過去に恨みがあっても、力を合わせて難関を切り抜けるべきこと 隔靴搔痒 言葉ややり方が急所を外れていてもどかしいこと 卧薪尝胆 目的を成し遂げるために刻苦して自らを励ますこと 日本語と中国語で全く同じ形式なので、苦もなく覚えられると思います。 そうは言っても、「隔靴掻痒」や「臥薪嘗胆」などは日常的に使わないので、 覚えるのは一苦労かもしれません。 通訳で困ったらそのまま置き換えるという方法もありますが(笑) (2)一部異なる部分はあるが、ほぼ同じ形式のもの 漢字の並びや、字数、一部の字が異なるものの、 一目見て日本語の四字熟語、ことわざ、慣用句が連想できるものです。 例) 将信将疑 半信半疑 朝令夕改 朝令暮改 画蛇添足 蛇足 杞人忧天 杞憂 火上加油 火に油を注ぐ (3)形式は異なるが、日本語にも同じ“慣用表現”があるもの “慣用表現”というのがみそです。 普通の言葉だったら連想しにくいと思います。 同じ意味を日本語と中国語で異なる言い方で表現しているので 比較してみると面白いと思います。 例) 对牛弹琴 馬の耳に念仏 (直訳:牛に琴を弾いて聞かせる) 纸上谈兵 机上の空論 (直訳:紙の上で兵について談ずる) 如虎添翼 鬼に金棒 (直訳:虎に翼を添える) 举一反三 一を聞いて十を知る (直訳:一つを挙げて三つ類推する(反=類推する)) 杯水车薪 焼け石に水 (直訳:一杯の水で車に積んだ薪が燃えているのを消そうとする) 今回挙げたグループは母語をヒントにできるので、 覚えるのにそんなに苦労しないと思います。 こういうのばっかりだといいんですけどね(笑) 続く・・・
by henggang
| 2012-10-31 21:41
| 成語
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